CYLLENGEブログ
2026.04.06
まだ3ヶ月ごとに変えている?「パスワードの定期変更」がNGになった意外な理由

「パスワードは3ヶ月に一度、定期的に変更しましょう!」
学校や職場で一度は耳にしたことがあるこのルール。現在のサイバーセキュリティの世界では“むしろやらないほうがいい”という新常識に変わっていることをご存知でしょうか?
今回はパスワードの定期変更がなぜ逆効果なのか、そして2026年現在の「本当に安全なパスワード管理」について解説します。
目次
1. 国際的なガイドラインが「定期変更」を否定?
総務省や世界的なセキュリティ基準となっている米国立標準技術研究所(NIST)は数年前から“パスワードの定期的な変更は不要”と明言しています。
以前は「盗まれたときのために先回りして変える」のが定石でした。しかし、現在では「流出した事実がない限り、無理に変える必要はない」という考え方が主流です。なぜ、これほどまでに方針が180度転換したのでしょうか。
2. 定期変更が「セキュリティ」を弱くする心理的理由
定期変更の義務化によって人間の心理として“覚えやすいパスワード文字列”になる傾向があります。これが最大の落とし穴です。
・「Spring2025」→「Spring2026」のように末尾だけ変える
・記号を1つ足すだけ、あるいは数字を1つ増やすだけ
・面倒になって、付箋に書いてモニターに貼ってしまう
攻撃者はこうした「人間のクセ」を熟知しています。安易なパターン化は、一度パスワードが漏れた際、次のパスワードを予測されるリスク(パスワードスプレー攻撃など)を飛躍的に高めてしまいます。
3. 「複雑さ」よりも「長さ」が最強の武器
現代のコンピュータの処理能力は凄まじく、短いパスワードなら数秒で解読されます。ここで知っておきたいのが、解読にかかる時間の計算式です。
パスワード解読にかかる時間 ≈ (文字の種類) ^文字数/コンピュータの処理能力
この式からわかる通り、文字の種類(記号や大文字)を増やすよりも「文字数(長さ)」を増やす方が解読難易度は指数関数的に跳ね上がります。
例えば、P@ssw0rd!(8文字)よりも、自分の好きなフレーズを繋げた I-love-eating-sushi-in-Osaka(28文字)の方が、機械的な総当たり攻撃に対して圧倒的に強いのです。
4. 2026年版:これからの「パスワード鉄則」3選
「変えなくていいなら、何もしなくていいの?」と言えば、そうではありません。これからの時代に守るべきは、以下の3点です。
・「使い回し」は絶対にしない:
一つのサイトから漏れた際に全てのサービスが芋づる式に乗っ取られるのが一番の恐怖です。
・パスワードマネージャーをフル活用する:
複雑で長いパスワードを自力で覚えるのは極めて不可能に近いです。パスワードマネージャーなどの管理ツールを使うことで「覚えるのはマスターパスワード1つ」の状態にしましょう。
・変えるのは「漏れたとき」と「変えたいとき」:
サービス側から漏洩の通知があった時や怪しいログイン通知が来た時だけ、即座にランダムな文字列へ変更してください。
5. まとめ
「パスワードの定期変更」という古い呪縛から解き放たれ、これからは“長く、使い回さず、ツールで管理する”というスマートな防犯対策へシフトしましょう。
また、徹底的なパスワード管理を行っても、パスワードが漏洩しない可能性は100%ではないので二要素認証によってより安全性を高めることが非常に重要です。
【参考文献】
総務省:安全なパスワードの設定・管理
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/security/business/staff/06/
NIST Special Publication 800-63B
https://www.jipdec.or.jp/eventseminar/event/u71kba0000009o56-att/nist_sp_800-63b.pdf
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