CYLLENGEブログ
2026.05.13
―ガラス製ストレージ開発プロジェクト『Project Silica』―

Microsoftとワーナー・ブラザースは、現在ガラスによって作成された長寿命大容量オンラインストレージの開発を進めています。
今回はこのガラス製ストレージ開発プロジェクト『Project Silica』について解説いたします。
目次
1. 『Project Silica』とは
『Project Silica』とは、Microsoftとワーナー・ブラザースが共同で進めている、ガラス製のオンラインストレージ開発プロジェクトです。
専用のガラス板に赤外線レーザーで3次元的にデータを書き込み、保存する技術です。
その特性上一度書き込んだデータを上書きすることはできません。
2019年に行われた概念実証では、映画『スーパーマン』全編75.6GBのデータを縦横7.5cm、厚さ2mmの正方形のガラス板に書き込み、読み出すことに成功しています。
元々は石英ガラスを使用していたプロジェクトですが、2026年2月にはより安価なホウケイ酸ガラスでのデータ保存にも成功したと発表されました。
2. 「ガラス」だけど「脆くない」データストレージの発想
何故ガラス板にデータを保存する、という発想に至ったのか?
それは従来のHDDや磁気テープには寿命と頑丈さに問題があるからです。
HDDの寿命は5年、磁気テープは10年程度。
データを永続的に残したいのであれば、あらたなハードへの定期的な移行が不可欠です。
これは世界規模でみると、データの保持に資源やエネルギーを大きく消費していることを意味します。
一方、Project Silicaでは1万年以上のデータ保持を目指しています。
このガラス製ストレージは熱や水や電磁干渉に強いというHDDや磁気テープにない特徴を持っています。
もし想定された通り、1万年以上データを保持できるようになれば、今までデータの保存と移行で消費されてきた資源とエネルギーが大きく節約できることになります。
3. 『Project Silica』の展望
現状では、ガラス板に大容量データを書き込むにも読み込むにも専用の機械を必要とします。
そして読み出したデータの復元には機械学習AIを用います。
このようにガラスのストレージでのデータの取り扱いには、ハード・ソフト両方で特殊な環境を必要としており、実用化までにはまだまだ課題があります。
安価なホウケイ酸ガラスでの実証は、そうした実用化への課題を一歩クリアしたと言えるでしょう。
今後も実用化に向けての研究開発がなされることが期待できます。
4. まとめ
『Project Silica』は、データを保存することの限界という極めて現実的な要求から生まれたプロジェクトです。
『Project Silica』が成功するかどうかはまだ何とも言えませんが、「今使われているデータ保存手段は寿命が短く物理的にも脆く資源やエネルギーを大きく消費する」という提言がなされたことは確かです。
『もっと多くのデータを』
『もっと安全に』
『もっと長期間』
保存したい。
そうした目標を掲げる『Project Silica』には大いに期待させられます。
仮に『Project Silica』が頓挫したとしても、その目標はなくなりません。
大容量のデータを安全に長期間保存したい。
その望みを叶える技術が近い将来に実用化されることを願っております。
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